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2024/1/30
発行
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2024年1月30日発行 ・ 2024年第1号(CRDBからのお知らせ)
★NMPA日本化粧品製造工場海外検査最新情報
―NMPA化粧品製造工場検査官 登壇セミナー開催予告

★5月1日から中国化粧品「完全版安全評価レポート」を作成・提出へ
―本年4月30日までに「簡易版安全評価レポート」提出がベスト

『中国化粧品・化粧品原料の新管理制度の解説及び課題の解決』
―(P&D代表取締役社長・董培執筆記事)

https://www.pandd.jp/pdf/Cosmetics-202302.pdf
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中国法規制許認可コンサルファーム・P&Dパートナーズです。
2024年がスタートして早1カ月経ちました。いかがお過ごしでしょうか。
今回の巻頭情報としては、次のエッセイをご案内させていただきます。
「自分が幸せに満たされてこそ、まわりを幸せにできる」
これは、「自分の家族や愛する人を幸せにしたいと思うなら、
まず自分が満たされて幸せになることが先、ろうそくも、
まずろうそく自身に火がついていなければまわりを照らせない」という意です。

さて、今回も中国における、化粧品、化粧品原料の管理制度と最新情報をお届けします。

★NMPA日本化粧品製造工場海外検査最新情報
―NMPA化粧品製造工場検査官 登壇セミナー開催予告

2023年年末、日本化粧品業界にとって中国ビジネスに関係する大きなニュースが入ってきました。
中国へ長年、化粧品を輸出していた化粧品大手・ホーユー株式会社が、
中国NMPA(中国国家薬品監督管理局)の海外工場検査を受け販売停止となったとの情報です。
具体的には、中国向け化粧品一品に関して、生産工程とNMPA化粧品登録申請資料に記載された
技術要求の記載が不一致であることで、同製品の生産工程を無断で変更するなどの違法嫌疑行為
として更に立件調査され、中国での輸入と販売が停止させられることになっています。
▼中国NMPA公告原文と和訳▼
中国海外化粧品製造会社を対象に現場査察開始  「ホーユー株式会社 違法行為の疑いあり」と断定 

外国の化粧品企業が中国NMPAより海外製造工場検査を受けて、問題を指摘されたのは、
今回、初めてのことです。当然、中国における化粧品輸入量がトップである
日本化粧品メーカーには大きな影響を与えている模様です。

本件に関して、多数の化粧品企業様、化粧品原料メーカー様から
お問い合わせをいただきました。中国NMPA日本化粧品製造工場の検査とはどういうものなのか?
これからどのように対応したらよいのか?等々といった内容が共通しています。
そこで、P&Dでは速やかに中国NMPAの関連部門に連絡をとり、
詳細事情等について直接、聴きとりました。その内容としては次のようになります。

今回のホーユー株式会社に対する工場検査は、NMPAより海外化粧品製造工場の査察を
開始したシグナルが発せられたとも言える動きです。2021年1月から実施されている中国の
新「化粧品監督管理条例」とその関連法令によって、中国向け化粧品の海外製造企業への
抜き打ち工場検査(中国語では「飛行検査」)も可能となりました。
ただし、コロナ禍の影響で、この査察は実施できていませんでした。

今回の日本化粧品メーカーに対する査察は、リモートによって行なわれ、
対象のホーユー株式会社は非常に協力的であったとNMPA審査責任者は高く評価されたようです。
しかしながら、対象製品について、NMPA登録申請資料に記載された製品工程内容と
実際の製造工程とが異なっていることは、明らかにルール違反に該当することになります。

P&Dが集めた情報として、このような状態に至った根本的な原因については、
ホーユー株式会社の中国化粧品許認可申請をサポートした申請代行業者について、
申請に関する専門性が不足、中国製品行政審査の知識が欠如、日本化粧品製造の事情を全く
知らない現地の申請代行業者への丸投げ再委託実施等々によるようです。
その結果、法規違反の申請資料が作成、提出されるに至り、今回の問題を引き起こしたと言うことです。

このような実例を踏まえ、P&Dでは、中国向け化粧品日本製造工場査察に関する、
より詳細な情報、例えば査察対象企業の選択、査察のポイント、日本会社の対応方法等について解説する、
NMPA化粧品製造工場検査官を講師として招くセミナー(「中国化粧品最新事情と対応措置セミナー」:3月上旬開催)
を企画しました。本セミナーでは、NMPA化粧品工場検査官から直接、
重要な最新情報などをお伝えしながら、参加者との質疑応答も行うプログラムを予定しています。

NMPA化粧品工場検査官に対するご質問などもぜひとも、本メールの送信アドレスまで送ってください。
セミナーにて回答をさせていただきます。
「NMPA化粧品製造工場検査官 登壇セミナー」の開催日程と具体的な内容を2月の早い時期に、皆様に送りいたします。

★5月1日から中国化粧品「完全版安全評価レポート」を作成・提出へ
―本年4月30日までに「簡易版安全評価レポート」提出がベスト

中国化粧品登録、備案(届出)の管理ルールは本年5月1日から変更になりますが、
この動きに関連して、最近、お客様からお問合せやご相談が続いています。
肝心の変更内容についてですが、中国化粧品登録・備案の管理ルールが変わるというより、
中国向け化粧品のNMPA登録許可または備案(届出)許可を取得するにあたって、
提出申請資料において、新たな資料の追加が必要になるのです。
その新資料が申請対象化粧品の「完全版安全評価レポート」です。

2021年1月からはじまった中国の新化粧品管理制度では、化粧品のNMPA登録許可または
備案(届出)許可取得の申請資料として、対象化粧品の「安全評価レポート」の提出も必要でした。
この「安全評価レポート」は、「化粧品安全評価技術ガイドライン(2021年版)」によって、
必ず医薬、薬学、生物学、化学あるいは毒理学等の専門知識を有し、化粧品あるいは化粧品原料の
生産管理と品質管理について精通し、且つ5年以上の関連業務に従事経験のある要員
に作成されなければならないと明確になっています。

ここで注意が必要なことは、「安全評価レポート」には「簡易版」と「完全版」との2つのパターンがあることです。
「簡易版安全評価レポート」は、タイトルの通り簡単な内容、対象化粧品及び含有成分に関して、
その安全性の根拠(主には中国側の化粧品安全技術規範や国際的な文献資料)の明示と
安全性があるとの結果をきちんと示せばよいです。一方、「完全版安全評価レポート」は、
対象化粧品及び含有成分に関して、その安全性の根拠について、
中国側の化粧品安全技術規範や文献資料だけで証明することでは十分ではなく、
各成分の毒理学試験報告書の提出も求められています。
また、化粧品と直接接触する容器や包装物についても安全評価資料の作成が不可欠です。
この点は「簡易版」と「完全版」と最も異なるところの一つと言えるでしょう。

2021年4月8日にNMPAが公布した「化粧品安全評価技術ガイドライン(2021年版)の実施に関する公告(2021年第51号)」▼原文と和訳文▼
国家薬品監督管理局からの『化粧品安全評価技術ガイドライン(2021 年版)』の公布についての公告によれば、
2024年4月30日までの中国化粧品の備案(届出)と登録の許可申請の際には、
「簡易版安全評価レポート」を提出すればよいのですが、
2024年5月1日より備案(届出)許可と登録許可の取得に提出する申請資料には、
「完全版安全評価レポート」が求められます。
前述のように、「完全版安全評価レポート」には、対象化粧品含有成分の
毒理学試験レポートも含めた多数の試験報告書や、
化粧品と接触する包装物の安全評価資料および関連する試験レポートも必要となります。
以上の通り、中国化粧品NMPA許認可取得にあたっては、今までより大幅なコスト増が避けられない状態になります。

この大幅コスト増を避けるベストな選択は、4月30日までに御社の中国向け化粧品の
NMPA備案(届出)と登録の許可申請資料の提出を済ませることです。
最近、P&Dには数多くの日本化粧品メーカー様からこのようなご依頼を立て続けに頂いております。
これからの申請でも、P&Dの専門性と実力によって、ご満足いただける自信があります。

なお5月以降に必要となる「完全版安全評価レポート」については、このレポートのみの作成代行
サービスも行っております。P&Dは中国化粧品安全評価レポートの作成の要件を満たしたコンサルタントを擁しており、
最も抑えた業務工数かつ最短の時間で、レポート関連資料の作成と提出も可能です。

今年3月上旬にP&Dが開催する「中国化粧品最新事情と対応措置セミナー」では、
中国化粧品許可取得に提出する「完全版安全評価レポート」の作成等
について、
中国化粧品シニアコンサルタントより詳細に説明予定です。また、このメールマガジンをご覧になった貴殿からも、
本セミナーで取り上げて欲しいテーマなどのリクエストも大歓迎です。
中国の最新事情が分かる!!
『中国化粧品・化粧品原料の新管理制度の解説及び課題の解決』をご覧ください。
(P&D代表取締役社長・董培執筆記事)
→ https://www.pandd.jp/pdf/Cosmetics-202302.pdf


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